山形地方裁判所 昭和61年(わ)270号 判決 1987年4月28日
本店所在地
山形県東置賜郡高畠町大字相森六三九番地
法人の名称
有限会社マルヤ
代表者の住居
山形県東置賜郡高畠町大字高畠五〇〇番地の二
代表者の氏名
佐藤俊
本籍
山形県東置賜郡高畠町大字高畠五〇〇番地の二
住居
右に同じ
職業
会社役員
氏名
佐藤兆
生年月日
昭和一一年四月一日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官中村明出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人有限会社マルヤを罰金八〇〇万円に処する。
被告人佐藤兆を懲役一〇月に処する。
被告人佐藤兆に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人有限会社マルヤは、山形県東置賜郡高畠町大字相森六三九番地に本店を置き、雑穀類および醸造原料等の販売業を営む者、被告佐藤兆は、同会社取締役として同会社の経理事務を統括している者であるが、被告人佐藤兆は、被告人の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入れを計上して簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ、昭和五六年六月一日から同五七年五月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が七三、九七〇、九四七円で、これに対する法人税額が二九、九〇三、一〇〇円であったにもかかわらず、同五七年七月二七日、山形県米沢市門東町所在の所轄米沢税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七、一九四、三九七円で、これに対する法人税額が一、九八九、六〇〇円である旨の虚偽内容を記載した法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額と右申告額との差額二七、九一三、五〇〇円の法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
一 被告人佐藤兆の当公判廷における供述
一 被告人佐藤兆の検察官に対する各供述調書
一 登記官作成の商業登記簿謄本
一 大蔵事務官澤本徳見作成の売上調査書および仕入等調査書
一 大蔵事務官小山勝彦作成の預金等調査書、雑費調査書、価格変動準備金調査書および事業税認定損調査書
一 押収してある法人税確定申告書一綴(昭和六二年押第七号の一)
(法令の適用)
被告人有限会社マルヤの刑責につき、法人税法一六四条一項(一五九条)
被告人佐藤兆の所為につき、同法一五九条一項(懲役刑選択)。
被告人佐藤兆に対する懲役刑の執行猶予につき、刑法二五条一項一号。
(裁判官 渡邊公雄)